糖尿病慢性合併症

糖尿病の怖いところは様々な合併症を引き起こす点です!!

糖尿病は放置、又は治療中でも血糖管理が悪いままだと様々な合併症を引き起こします。

狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症などや、糖尿病3大合併症 “神経障害”・“網膜症”・“腎症”などです。

 

糖尿病神経障害

 

自律神経や末梢の感覚神経に障害を起こして、ジンジン・ビリビリなどの感覚異常や痛み、や逆に感覚低下が起こったりします。他にも立ちくらみや胃もたれ・便通異常、無痛性心筋梗塞など男性であればインポテンツなどが現れることがあります。

●図⑧神経障害

 

糖尿病網膜症

 

糖尿病網膜症は糖尿病の3大合併症のひとつで、時には失明に至る病気です。  

●図⑨ 網膜症

糖尿病は予備軍も含めると約2000万人の患者がいることもあって、最近では日本の中途失明の原因の第2位を占めています。なかなか自覚症状がないので定期的な眼科での検査をお勧めします。

また、糖尿病網膜症は、白内障や緑内障や網膜剥離にも進行しやすい怖い病気でもあります。

 

日本人の視覚障害の原因疾患

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平成17年度 総括・分担研究報告書:263,2006
(障害者手帳交付者の身体障害者診断・意見書の調査結果)より

 

糖尿病腎症

 

糖尿病発症後10年ほどで腎症が起きてきます。症状に乏しく、浮腫みなどを自覚した頃には進行しており、やがて腎不全となると人工透析が必要になります。日本透析医学会の2014年末の速報値では新規透析導入患者数は3万8,335人、導入患者の原因疾患の第一位は糖尿病腎症(43.3 %)でした。進行予防には適切な薬剤の選択と血糖・血圧管理(食事療法も含めて)などが重要です。浮腫みは糖尿病腎症以外の原因でも起こりえますので、糖尿病治療や他の合併症精査も含めて、一度早めに専門医の受診をお勧めします。

●図⑩ 腎症

 

大血管障害

糖尿病においては細小血管障害だけでなく体中の血管が動脈硬化が進行します。心臓の血管ならば狭心症・心筋梗塞、脳の血管ならば脳梗塞、下肢の血管ならば閉塞性動脈硬化症などが発症しやすくなります。

 

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足壊疽

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神経障害、血管障害、外傷、感染症などが複雑に関与して下肢に潰瘍や壊疽が生じます。それによる足の切断は年間で3,000人以上とされています。原因や悪化には神経障害による感覚鈍麻が関与していることが多いとされています。日常生活における、熱傷、外傷、胼胝、靴ずれなどの予防および早期発見・早期治療が重要です。