甲状腺腫瘍

甲状腺の中におでき(腫瘍)ができる病気です。腫瘍は、良性の場合と、悪性(癌)の場合があります。

 

腫瘍がまだ小さい時期は、自覚症状は全くなく、外から見ても、自分で触ってもわかりません。主要が大きくなってきて初めて周囲の人から指摘されることがあるかどうかという程度で、検診などで見つかることが多い病気です。健康診断の受診者の1~2%に腫瘍が発見されるとされています。

 

かなり大きくなっても、自覚症状に乏しく、呼吸や嚥下(食べ物などの飲み込み)に違和感を覚える人はごく少数です。

 

◎図25

 

甲状腺の悪性腫瘍には“甲状腺乳頭癌”、“甲状腺濾胞癌”、“甲状腺未分化癌“、“甲状腺髄様癌”、“甲状腺悪性リンパ腫”などがあります。悪性腫瘍の約85%が発育の遅い甲状腺乳頭癌で、約9%が甲状腺濾胞癌とのデータがあります。

甲状腺癌は、治癒率の低い未分化がんを除けば、一般的に進行が遅く治りやすいがんであります。

 

 

検査

 

  • 触診を含めた診察所見
  • 採血(甲状腺ホルモン・自己抗体・一般採血)
  • 甲状腺エコー
  • 甲状腺穿刺吸引細胞診

などになります

 

◎図26

 

 

★治療法

 

良性腫瘍ならば原則手術は不要です。定期的な甲状腺エコーで正常がサイズを経過観察します。

 

甲状腺癌の治療内容は癌の種類によって異なり、進行している場合とそうでない場合に分かれます。

 

基本的な治療としては、手術によって癌を取り除き、放射性ヨードを内服し、ホルモン療法を行います。

 

 

◎図27